1 おとぎ
初披露:2024/9/21 RAY現体制2周年記念ワンマンライブ「Perennial」
この最上級の美しさのイントロからアルバムがスタートするのがたまらない。語りかけるようだったボーカルが激情を帯び、轟音アウトロへと流れ込む芸術的な展開。
ライブでも、それまでの流れに関わらずイントロで一気に空気を変えるパワーのある曲。
個人的に印象的だったのは、RAY×ベルハースプリットツアーの名古屋公演での、臨時3人体制での披露。当時は3人で魅せられる曲を模索して奮闘しているタイミングで、この曲を取り入れたことでセトリの完成度を高める最後のピースがハマった気がした。
2 星座の夜空
初披露: 2024/5/3 「The Most Cutting Edge Alternative Idol」
どの楽器もポジティブな音を鳴らしている。ボーカルもエネルギーに満ち満ちていて、素直にロックの良さを浴びせてくれる。
ライブではテンションアゲアゲにしたいときに歌われてきた曲。最近だとくさのねアイドルフェスの野外ステージが印象深い。今の印象だと、初披露の映像もまだおとなしく感じるほどだ。なんせ今ではイントロで内山さんは「イエーーーイ!」しか言わない。でも、それが一番いい形という確信がある。初披露から1年以上、ライブとともに育ってきた曲。みんな育った結果の「イエーーーイ!」を愛している。
3 See ya!
初披露: 2024/5/3 「The Most Cutting Edge Alternative Idol」
今のRAYの方向性を決定づけたのはこの曲だと思う。曲スタートから3分ボーカルが入ってこない、アイドルとしては珍しいスタイルの曲。
度々インタビューで語られているが、現在のRAYはライブを意識した曲作りをしている。See ya!はそれを体現するような曲で、ライブにおける演者と客のコミュニケーション、その最たるものとしてリズムを体で感じさせることに特化している。それゆえ、数々のライブで重要な役割を果たしてきた。
ライブ映像でもわかる通り、みこちのシャウトが後半の主役といってもいいほどの曲。シングル配信の音源だとシャウトはなしだったが、アルバム版ではエフェクトをかけた形で表現されている。
多くの場合(特にアイドルだと)音源はライブに先立つものだが、これはライブから音源への、ひとつの解釈、翻案だと思う。
音源では表現しきれないライブの空間的な高揚を、それでも表現しようと挑戦するRAYチームの姿勢を私は尊敬している。
4 Bittersweet
ライブ未披露
クレジットで衝撃を与えたアルバムのリード曲。あのRIDEの…とネームバリューで身構えていた気持ちを笑い飛ばすような爽やかなサウンド。イントロで音が重なるにつれてワクワクしていく音楽の根源的な楽しさがある。軽い気持ちで聞きながら、気づけば期待が高まっていく。
意外と今までのRAYにないリズム感の曲なので、ライブだとどんな形になるのかが気になる1曲。
序盤の流れは歌詞とサウンドの関係で見ても面白い。
抒情的なおとぎ、語感の良いフレーズが並ぶ星座の夜空で日本語ロック的に味わう→See ya!で言語的感覚が薄まる→英語詞のBittersweetで軽やかなボーカルを楽しむ、と良い緩急が生まれているのも曲順の妙。
5 starburst
初披露:2024/12/30 RAY ONE-MAN SHOW「全部、花 花と唄い、死ぬ」
今となってはライブでおなじみの曲。初披露時は星座の夜空と星つながりで、高いテンションを煌めかせた曲。イントロのかわいい振り付けが印象的で、アイドル現場っぽくコールの入れやすい曲でもある。
要素を並べるとRAYの中でもポップで聴きやすい方の曲に思えるし実際間違っていないが、激しい変化のエネルギーを感じさせてくれる。コットまおのラップパートも含めて、瞬間の輝きのニュアンス。
音源で聞くとリズム楽器の気持ち良さも細かい音のいとおしさもより精細に感じられる。歌詞の表記も凝っていて、これを知った上でまたライブが見たくなる。
6 アップサイドダウン
初披露:2025/2/2 RAY Presents「Relationship vol.9」
最大限にポップで、どこかノスタルジックでもあるメロディー。一方で間奏のギターの分厚さにはRAYらしさもある。アイドルポップス側からオルタナティブに接近した曲かもしれない。
初披露は楽曲提供したCoupleとのツーマン。珍しく?かわいさに振り切った曲ということで当然のように人気曲になった。おとぎとは別の意味で空気を変える曲。イントロが流れた瞬間、「1秒たりともステージの上を見逃せない」という気持ちになる。
7 NO WAY! LIFE GOES ON!
初披露:2024/11/3 Hearts+ presents「秋のYOIMACHI」
イントロのシンセで一気に引き込まれ、ギターが絡まればもう止まらない。2分少々の短い曲だが、その中に「ライブ」が詰まっている。
中盤から流れ続ける「NO WAY! LIFE GOES ON!」のコーラスはファンの声を収録したもの。MVも公開レコーディングの際の映像が取り入れられている。
そういった経緯もあって、ライブの盛り上がりをそのまま表現したかのような曲。音源を聴いているだけでも、メンバーを近くに感じられる。
8 plasma
初披露(予定):2025/9/21 RAY ONE-MAN SHOW「GROOVE! GROOVE! GROOVE!」
唯一リリースまで謎に包まれており、満を持しての登場で上がったハードルを飛び越えて衝撃を与えたこの曲。See ya!と同じくボーカルがなかなか入らない系だが、一筋縄ではいかないリズムはWOZNIAKのカラーが全面に出ている。
タイトルの通り、不安定で抗いがたいきらめき。メンバーの声は時にリズムを構成するヴォーカリーズになり、時にクールなメロディーを奏でる。
ライブで何が起こるかはわからないが、ヤバいことは明らかだ。
この曲はドラムが3台で構成されているが、初披露となるワンマンライブではそれが再現されるというのがまたヤバい。
9 sunset hurts
ライブ未披露
前曲とはうってかわって無骨ともいえるドラムから始まる曲。安心感も相まって、鮮やかな世界にすっと連れていかれる。初収録のEP「Seasons」の秋担当だけあって哀愁に満ちているが、暖かくもある。
ライブでどんな表現になるかはわからないが、アンニュイなメロディーをどんな表情で歌うかに注目したい。
10 涙のいた場所
初披露:2025/5/4 RAY ONE-MAN SHOW「Preserved Flowers」
今までRAYの代表曲を送り出してきたハタユウスケによる、美メロ、轟音ギター、いわばRAYの王道的な曲で、ということは当然良い曲。それでいて、これまでのハタ曲の積み重ねも感じられる。
この曲のライブといえば、なんといっても初披露のワンマン。このワンマンでRAYを卒業する愛海さんへの餞として作られた曲であり、初披露の編成は最初で最後だった。
あのライブの延長線上にあり、同時に今のRAYを表しているこの音源が形になっていることを嬉しく思う。
11 夜来香迴旋
初披露:2024/9/21 RAY現体制2周年記念ワンマンライブ「Perennial」
花の名前にまつわるタイトルに違わぬたおやかさを湛えたバラード。重厚なギターの上で何度も繰り返される「夜来香」のコーラスが、記憶にあるような幻のような情景へと誘う。
ライブでの振り付けの美しさが素晴らしく、RAYのダンスが激しくない曲でも魅せられることを示してくれる1曲。個人的な印象ではバンドセットが印象深い。ギターがガツンと鳴るほど、漂うようなボーカルの蠱惑的な魅力も増幅される。
12 天体
ライブ未披露
前曲の轟音アウトロからこの曲のイントロアルペジオは反則!
淡々としているがゆえに個性が引き立つボーカルも素晴らしい、RAYの新境地だと思う。浮遊感を表現するサウンドが天才的。
おそらく対バンでしょっちゅうセトリ入りするタイプの曲ではないが、きっと披露されたときの破壊力はすごい。ダンスというより演劇的な動きで見てみたいかも。既存曲だと逆光、しづかの海に近い形を想像している。
おとぎで始まったアルバムが天体で終わる構成も美しい。本のページを開いて物語が始まり、物語の中に溶け込んで終わるようなイメージを持っている。